「個性的な店が減った」「観光地化している」「高齢化が進んだ」とあれこれ言われながらも長らく人気の続く街、吉祥寺(武蔵野市)。中央線沿線には中野(中野区)、荻窪(杉並区)のように、吉祥寺同様2路線が利用可能でより都心に近い駅もあるが、それでも吉祥寺は頭1つ抜けている。その理由を男が好きな街、女が好きな街という観点から解説しよう。
近年平準化に向かう傾向があるものの、街は男が好きな街、女が好きな街と分けることができる。男女以外にも性自認は人の数だけあると考えると、非常に単純化した言い方だが、ここでは街の性格、要素を分かりやすく説明するための方法としてご容赦いただきたい。
男が好きな街、女が好きな街の例を分かりやすく表示してくれるものがいくつかある。1つはリクルートが発表する「SUUMO住みたい街ランキング」だ。この中には男性シングル、女性シングル世帯のランキングがあり、2023年版を見てみると明らかに違いがある。
例えばシングル男性トップは新宿だが、シングル女性では新宿は10位。10位まで見るとシングル女性9位には自由が丘が入っているが、シングル男性は44位まで見ても自由が丘は入ってこない。自由が丘以外にもシングル男性は選ばない、シングル女性だけに好まれる駅がある。それが三軒茶屋、代々木上原、舞浜、荻窪、二子玉川、清澄白河、代々木、新浦安などである。
逆にシングル女性は選ばなかったが、シングル男性が選んだ街もある。それが秋葉原、中野、立川、有楽町、和光市、高円寺、千葉、川口、川崎、海老名、藤沢、柏、つくば、町田、所沢、豊洲、調布、みなとみらい、赤羽、五反田など。
並べてみて気付くのはシングル女性は比較的都心に近く、カフェなどが多くて女性誌によく登場するイメージの良い街を選んでいるということ。治安も意識している。これに対してシングル男性は郊外でも始発がある、急行などの停車駅である街などを選んでおり、アクセスの良さ、商業施設の集積など利便性を重視していることが分かる。加えて物価の安さも大きな要素となっているように思われる。
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