人気急増の通信制高校 不合格者続出、なぜ?(3/3 ページ)

» 2023年12月01日 20時03分 公開
[産経新聞]
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 通信制高の人気の高まりに教育現場からは不安の声も上がる。私立中高、短大を運営する学校法人愛泉学園(大阪府堺市)の重山香苗理事長は、自身が委員を務める日本私立短期大学協会の運営問題委員会でも「通信制出身学生のドロップアウトの増加を問題視している」とため息をつく。

 重山氏は「通信制全てが悪いわけではない」と前置きした上で、年数回の出席などで簡単に単位が取れる通信制高もあることから「人との関わりにブランクがある生徒ほど大学の対面ありきの講義や実習への出席に支障が出やすい」と指摘。「不登校だから通信制と安易に決めず、不登校対策に力を入れる全日制など高校選びは慎重に検討してほしい」と話した。(木ノ下めぐみ)


通信制高校 

 戦後、働く若者に教育の機会を提供するために制度化された。平成15年の制度改正で株式会社による学校設立が認められ、不登校だけでなく多様なニーズを持つ生徒の受け皿としても数を増やしており、当時の138校から今春288校に増加した。

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