通信制高校に進学する生徒が急増している。増加する不登校生徒の受け皿となり、新型コロナウイルス禍でのオンライン授業の普及で進路の多様化が進んだことも背景にあるようだ。一方で、公立通信制高では生徒急増に対応できない恐れが生じるとともに、不合格者が続出する事態に。登校が少ない学校もあるため、卒業後の対面忌避を助長しかねないとの懸念も広がるなど、関係者は対応に苦慮している。
「教員の数が足りず、どうやって(登校時の)授業をこなすか綱渡り」
今春の入試で募集定員270人に対し、354人の志願者が集まった大阪府立桃谷高(大阪市生野区)の昼間の通信制課程を踏まえ、伊藤範子校長は現場の混乱ぶりをこう明かす。
公立の同校の場合、登校して授業を受ける「スクーリング」を重視。一方で、授業への生徒の参加状況は教室の扉を開けるまで分からないため、今年は生徒が教室の収容人数を超えるケースが相次いだ。
職員室に待機していた別の教員が授業を増やして事なきを得たが、教室不足も深刻化。「待機教員や教室の空きがなければ、授業ができない事態になりかねなかった」(伊藤校長)。
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