加熱式たばこが広がった要因は、煙の少なさとされる。JTは「受動喫煙対策や、コロナ禍の在宅で家族への配慮が必要となり、加熱式に切り替えた喫煙者が一定数いる」と分析する。
加熱式たばこの蒸気には紙巻きたばこと同様にニコチンが含まれるが、PMJやBATジャパンでは、ニコチン以外の有害物質の曝露量(ばくろりょう、体内に入る量)を減らせる可能性を指摘。ハームリダクションにつながる製品として挙げている。
英国では、公共医療を提供する国民保健サービスが、同じ代替品の電子たばこによる禁煙支援を承認。米食品医薬品局(FDA)は、嗅ぎたばこ(スヌース=無煙たばこの一種)をリスク軽減、一部銘柄は曝露軽減と認めている。両国ともたばこ価格が高く、禁煙治療など世界保健機関(WHO)が推奨するたばこ対策も進む。
こうした動きを背景に、日本でも「加熱式たばこはハームリダクションになり得るか」という議論が広がっている。
ただ、疾病を予防する公衆衛生の立場からは、慎重な見解が相次いでいる。日本公衆衛生学会が11月1日に茨城県つくば市で開催した総会のシンポジウム「激論!タバコ対策におけるホットトピックス」では、ハームリダクションについて次のような意見交換が行われた。
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