「加熱式たばこ」広がった理由は？ ハームリダクションへの関心が高まる（3/3 ページ）

[産経新聞]

　国立保健医療科学院の山本貴文氏は、加熱式たばこの利用者には、紙巻きなど複数のたばこ製品を使う喫煙者が含まれている可能性を示唆し、「禁煙しにくい傾向につながっていないか」と問題提起した。

　また、大阪公立大学大学院医学研究科の浅井一久氏は「加熱式たばこの健康影響について科学的根拠を積み上げていく段階」とした。国立がん研究センターの片野田耕太氏は「加熱式たばこが紙巻きより健康リスクが低い科学的証明をはじめ、たばこ産業から独立した機関による施策推進といった要件が重要だ」と訴えた。

　厚労省は「健康影響が解明されるまでは公衆衛生の予防原則の観点から紙巻きたばこと同様の規制が望ましい」として、現時点では加熱式たばこのハームリダクションの可能性に否定的な姿勢を示す。長期的な健康影響を評価するには、まだ時間が必要だ。