姿見え始めた「なにわ筋線」 大阪に人が集中して“人口格差”を懸念(2/3 ページ)

» 2024年01月01日 08時00分 公開
[産経新聞]
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 同社は難波駅―新今宮駅を起点とした沿線開発計画「グレーターなんば」構想を掲げており、7年3月期までの3カ年の中期経営計画で300億円を投資する。ビジネス客やインバウンド(訪日外国人客)をミナミに引き込み、梅田を含むキタに対抗する街へと育てる考えだ。

 一方、なにわ筋線の新駅「中之島駅」が開業する中之島周辺でも、路線建設のための工事が続いている。周辺には国際会議場「グランキューブ大阪」、リーガロイヤルホテルといった主要施設が立地。だが、今の交通アクセスは良いとはいえない。なにわ筋線の開業により、利便性が高まる見通しだ。

 再開発も進む予定で、関西電力グループの関電不動産開発(同市)などは6年、再生医療を中心に最先端医療が集積する「未来医療国際拠点」を、8年、高層マンション「シエリアタワー中之島」を開業させる。

 なにわ筋線は、JR西日本と南海電鉄が共同で運営する。総事業費は3300億円。JR大阪駅から地下路線で中之島駅、西本町駅の2つの新駅を経由した後、南海新難波駅を経由して新今宮駅に向かうルートと、JR難波駅に向かうルートに分かれる。

 開通すれば大阪と関西のほかのエリア、さらには海外とのアクセスが格段に向上することが期待できる。

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