姿見え始めた「なにわ筋線」 大阪に人が集中して“人口格差”を懸念(1/3 ページ)

» 2024年01月01日 08時00分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 令和13年に開業する新線「なにわ筋線」の姿が見えてきた。大阪市中心部を南北に貫き、新幹線が停車する新大阪駅と関西国際空港のアクセスを向上させる新線は、同市内の再開発を誘発。2025年大阪・関西万博後や、令和12年秋ごろの統合型リゾート施設(IR)開業による需要拡大も取り込み、大阪全域に大きな経済効果を与えることが期待できる。一方で大阪に人が集中し、関西のほかのエリアとの“人口格差”が広がる懸念もありそうだ。

photo

 5年12月下旬、大阪・難波の千日前通りに面したビルは閉鎖され、中はがらんとしていた。間もなく取り壊し工事が始まる計画とみられる。現場の掲示をみると、工事の発注者は「南海電気鉄道」となっていた。

 なにわ筋線の新駅「南海新難波駅」が地下に建設される場所だ。南海電鉄によれば、ビル跡地は駅の建物などの施工ヤードになる見通しという。

 南海電鉄は、なにわ筋線開通を見越し、難波を中心とした「大阪・ミナミ」エリアの開発を強化している。7月には、日本初進出の高級ホテルやオフィスビルなどを備える新開発地区「なんばパークスサウス」を同市浪速区に全面開業した。

       1|2|3 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.