麻布台ヒルズは約8.1ヘクタールの広大な区域に、延床面積が約86万平方メートルのビル群が建つ。オフィス・住宅・商業施設・文化施設・教育機関・医療機関など、多様な都市機能が集積している。これまでの主要なヒルズより建物の延床面積が広い。
麻布台ヒルズのコンセプトは「緑に包まれ、人と人をつなぐ『広場』のような街 - Modern Urban Village -」。人々が自然と調和しながら、心身ともに健康で豊かに生きることを目指す街としている。これまで、六本木ヒルズでも屋上庭園に水田を設け、毛利庭園という回遊式日本庭園を整備。
表参道ヒルズでは、建物の高さをあえて表参道のケヤキ並木の景観に調和する程度に抑制するなど、都市環境の悪化を招くヒートアイランド化、高層ビルの過密化に対して、具体的な解決策を提案してきた。麻布台ヒルズでは、こうした都市緑化の取り組みをさらに進めた。
従来の再開発では、まず超高層ビルの配置を考え、その間を緑化するというのが一般的だった。麻布台ヒルズでは最初に広場と全体の緑化のランドスケープを決めた。SDGsが提唱されている現在の思想潮流に沿った、敷地全体を緑で包むような街づくりを行っている。
T字型となっている街区の中心には中央広場を配置。約6000平方メートルの空間で、多彩な植栽、人工の池や小川の演出を施した。広場内にあるオープンスペースの麻布台ヒルズアリーナでは、さまざまなイベントが行われている。早速、12月にはクリスマスマーケットが開催された。
東側にある桜田通りの方には、最高でも8階の中・低層ビルであるガーデンプラザA〜Dが並ぶ。区画内にある大養寺や隣接する西久保八幡神社の景観に配慮し、調和を取っている。
地上の緑化を推進する一方、利便性も追求している。地下1階の通路で、森JPタワーからガーデンプラザ各棟を経て、神谷町駅に直結。地下通路沿いには店舗やギャラリーが並び、森JPタワーやレジデンス両棟の低層階とともに商業スペースとなっている。
地上の交通の改良点として、レジデンスとガーデンプラザの北側に、麻布通りと桜田通りを結ぶ、桜麻通りを新設。これまで不便だった、東京メトロ南北線・六本木一丁目駅と神谷町駅を結ぶ動線をつくった。
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