とにかくITソリューションは魔法の杖ではありません。なんでも良いから導入さえすれば業務が楽になりみんなが幸せになれるわけではないのです。
むしろITソリューションを導入すると一時的に業務が増えるのを覚えておいてください。
現場が「効果が出た! 導入して良かった」と思うまでには3つのステップがあります。
それは「開発→導入→定着→(効果)」です。
何かしらのITソリューションを検討した際に、どのような「開発」をして「導入」するのかについては言及されますが、それを使いこなして「定着」させる方法について語られることはありません。なので、開発して導入すればすぐに効果が現れて全員ハッピーと勘違いしている方は想像以上に多いです。
定着とは導入したITソリューションが組織にしっかりと根付いて新しいプロセスの1つとして落ち着いている状態です。ここまでくると効果が実感できます。個別業務をデジタル化したところで業務は楽になりません。それはデジタルシフトと言ってDX(デジタルトランスフォーメーション)とは違います。しっかりと現状の業務を可視化して、自分たちの身の丈に合ったITソリューションを導入することが重要です。そして、それを使いこなして効果を実感するためには、今までの常識を捨てて新しい業務プロセスを再構築していくのが大切です。
→クラウドツールで同時編集する
→業務ありきのITソリューションを導入
→導入後の定着を徹底する
この記事は、『無くせる会社のムダ作業100個まとめてみた』(元山文菜/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
株式会社リビカル代表取締役。業務コンサルタント。
大学卒業後、株式会社サクラクレパスに入社。その後、富士通株式会社に転職。2017年に独立し、現在の株式会社リビカルを設立。2021年11月(株)医療デザインラボ代表。医療に特化した業務コンサル会社を設立。障がいや難病女性向けのNPO運営の顔ももつ。
「多様性×業務改善で、はたらくを楽しむ人を増やしたい」をテーマに、業務や組織構造の再設計を手がける。個人や企業にとっての「価値ある時間の創出」「経営資源の拡大」を支援。これまで、DX推進、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)やRPA導入支援と、個々人に対する時間管理術の改善をあわせて実施することで、組織への生産性を最適な手段で向上させる。そのほか、業務プロセス改善、タイムマネジメント、ダイバーシティマネジメントをテーマにした講演活動も精力的におこなっている。
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