ネットで生成AI動画の作り方を検索すると、解説するユーチューブ動画が無数にヒット。動画の作成方法が「教材」として販売されているケースもある。
東京工業大の笹原和俊准教授(計算社会科学)は、生成AI動画の広がりについて「技術の浸透や作成方法を分かりやすく簡単に教えてくれるノウハウがあることが理由。今の環境なら素人でも数分で作れる」と話す。
その上で、動画投稿サイトやSNSに、再生回数や登録者数に応じて広告収入が投稿者に還元される仕組みがあることから「ディープフェイクを用いて稼ぐ仕組みができている」とする。
こうした動画の投稿者の中には、アカウント上に別のサイトのリンクを掲載し、有料会員になればより性的に過激な動画を閲覧できるページへと誘導するものもある。笹原氏は「ディープフェイクポルノが大量生産されるようになれば、公序良俗の面で問題になる」と危惧する。
ユーチューブは昨年11月、生成AIで作成された動画を投稿する場合、画面上で明記することを投稿者に今後義務付けると発表。プラットフォーム側も生成AIのリスク対策に動きはじめた。
笹原氏は、生成AIを巡る状況について「表現の自由もあり規制は難しいが、拡散を抑制する仕組みが必要。今後はコンテンツそのものを見るのではなく、信頼できるアカウントか、どのように載せているかを見ることも大事だ」としている。
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