生成AIとみられる女性の「扇情動画」乱立、目的は?(1/3 ページ)

» 2024年03月17日 07時33分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 生成人工知能(AI)によって作成・加工されたとみられる若い女性の扇情的な動画が、交流サイト(SNS)上などで拡散されている。一見しただけでは生身に見えるほど精緻で、再生回数が数百万回に達するものも。より性的に過激な動画へ誘導するものもあり、専門家は「アクセスを稼いで収益をあげる仕組みが確立されていることが背景にある」と指摘する。

「ミス東大」

 モデルのような容姿の若い女性が、画面を向きながら公園や屋外を1人で歩く数分の動画。SNSのインスタグラムや動画投稿サイトのユーチューブなどに昨年から登場した、あるアカウントから投稿されたものだ。

photo ユーチューブに公開された生成AIで作成・加工されたとみられる女性の動画。投稿したアカウントは現在停止されている

 「ノーブラ散歩」などの刺激的なタイトルがつけられ、プロフィル欄には東京大学の理系学生をうたい「ミス東大」を目指すなどと記載。他にも、服を着た状態で下着を脱ぐ様子を見せたりする動画が十数本投稿され、登録者は瞬く間に数万人に達した。

 ただ、東京大広報課はこの人物について「認知しておりません」と回答。この動画を投稿したユーチューブのアカウントは現在、停止されている。

 投稿された動画について、国立情報学研究所の越前功教授は「影や動きが非常に高精度で自然に見えるが、横顔になる部分が切り取られていたり(別の物体が)顔を遮る場面がなかったりするものも多い。生成AIで作成された『ディープフェイク』の可能性がある」と指摘する。

 インターネット上には、これ以外にも「ミス東大出場予定」と記載した女性の動画がアップされるなどしており、生成AIで作成された可能性のある同種の投稿は後を絶たない。

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