コロナ禍で減少したスーツ需要が戻りつつある。帝国データバンクによると、2023年度の上場スーツ関連企業7社の売上高合計は、22年度から約4%増となる3600億円だった。また、営業利益の合計は5年ぶりに100億円を超える見通しとなった。
冠婚葬祭向けである礼服需要の回復やオーダースーツ人気の高まり、「ビジカジ」ウェアの販売拡大が各社の業績アップを後押しした。帝国データバンクによると「24年度の新入学・入社式向けが好調」といった声があるほか、パターンオーダーを含め「オーダースーツが想定以上に売れている」などの意見があるという。
企業別に取り組みを見ると「洋服の青山」を展開する青山商事は、自社のオーダースーツブランド「Quality Order SHITATE」を全店舗に導入。「AOKI」「ORIHICA」を運営するAOKIホールディングスは、高価格帯「金のスーツ」が好調なほか、「パジャマスーツ」や女性向けウェアの商品提案力を強化している。
一方で、スーツ店の数は23年度末時点で2300店舗前後と、コロナ前で最も多かった17年度末(2997店)から約700店の減少となり、8割前後まで縮小している。帝国データバンクは「大手を中心に、コロナ禍に行った大規模な店舗整理が影響した」と分析する。
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