なぜ、DXを推進したらクレーム件数が減ったのか ガストやバーミヤンの取り組み(1/2 ページ)

» 2024年03月22日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 ファミリーレストラン「ガスト」などを展開するすかいらーくホールディングスが、DXを推進することで店舗のクレーム減少につなげている。どういった取り組みをしているのか、同社の広報担当者に話を聞いた。

どんな取り組みをしているのか

利用客を待たせる時間を短縮

 すかいらーくグループ全店舗における、利用客10万人当たりのクレーム件数(2023年)は、22年比で23%減少している。さまざまなDXの推進により、利用客を待たせる時間が短くなったことが主な要因だという(出所:23年度通期決算説明資料)。

 具体的にどのような施策が影響しているのか。

 例えば、セルフレジを導入した店舗では、導入前(23年10月以前)と比較して、利用客1組当たりの平均対応時間が80秒から9秒に減少している。

セルフレジにより、平均対応時間が80秒から9秒に減少(出所:23年度通期決算説明資料)

 また、「下げテーブル表示システム」を導入することで、従業員が食事を下げる必要のあるテーブルを発見するまでの時間が、平均で10秒短縮している。同システムは会計システムと連動しており、利用客が帰った後のテーブル卓番号を表示するのが特徴だ。広報担当者は「導入前は、会計が終わったテーブルを従業員同士で声掛けしながら下げていました」と説明する。

「下げテーブル表示システム」で素早く食器などを片付けられるように(出所:23年度通期決算説明資料)
DX推進によりサービス向上
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