エコメルカリ便では置き配が前提となるため、再配達のリスクを大幅に下げられる。メルカリ試算では、1都3県でのエコメルカリ便の利用により、配達員の労働時間が年間約2.4万時間、CO2排出量が約69トン削減できるという。
エコメルカリ便の発送は、ローソンや駅構内などに設置されたスマリボックスから行う。荷物は購入者の自宅など指定場所に置き配される。現在スマリボックスは関東・中部・関西の主要都市を中心に3000カ所以上に設置されており、今後さらに拡大していく計画だ。三菱商事の砂田重文物流開発部長は「スマリサービスとしても、スマリボックス、そしてスマリ宅配ボックスを通じて、今後も物流業界における課題を解決していきたい」と述べた。
メルカリは、今回の新サービスを1都3県でスタートし、今夏までに東名阪エリアまで対象を広げる予定。将来的には、置き配に加えて自宅から発送できる「置き発送」のような新たな形も検討したいとしている。メルカリでロジスティクスを担当する進藤智之執行役員は「置き配が配送方法として世の中に定着してきたように、自宅にいながら発送できる置き発送も新たなスタンダードになり得る」と展望を語った。
物流は、EC市場の拡大などを背景に大きな転換期を迎えている。労働力不足や環境配慮の必要性が叫ばれる中、メルカリのエコメルカリ便のような取り組みは、物流のあり方を変える一つのきっかけになるかもしれない。同社が掲げるサステナブルで利便性の高い配送の実現が、業界にどのようなインパクトを与えていくのか注目したい。
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