「2024年問題」サントリーが手を打った、その効果は?荷主企業としての責任と対策(1/5 ページ)

» 2024年03月21日 06時45分 公開

 4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が施行される。いわゆる「2024年問題」だが、これまでは物流企業やドライバー不足に話題が集まっていた。ところが、24年2月に荷主企業(貨物を輸送させる事業者)に対して、荷待ち時間の短縮の計画作成を義務付ける法改正が閣議決定されたことで、注目は物流企業から荷主企業へ変わりつつある。

photo サントリーと大王製紙グループとの共同配送での貨物混載の様子(提供:サントリー、以下同)

 中でも大きく影響を受ける荷主企業が、食料品メーカーだ。国土交通省によると、国内の輸送量において酒類・清涼飲料を含む「食料工業品」は、建設素材やその廃棄物・廃材などを除くと、「機械」に次ぐ輸送量となっている。

 食品関連メーカー各社はこぞって、物流の効率化を図る施策を行っているが、どのような効果が出ているのだろうか。今回は、年間6億ケースを販売するなど国内トップクラスの荷量を誇るサントリーグループに話を聞いた。

異業種企業との共同配送を2009年から実施

photo サントリーの大泉雪子氏

 「われわれは作って終わりではなく、作ったものを消費者に届けて初めてビジネスが成り立つメーカーであり、物流に頼った企業であると認識している」。そう語るのは、サントリーでサプライチェーン本部 物流部部長 兼 戦略部部長を務める大泉雪子氏だ。

 2024年問題をきっかけに、企業同士が連携してトラックを共有し、共同配送することが増えているが、同社は09年からすでに取り組んでいる。ビール製造各社との協業だけでなく、特に大王製紙グループやユニ・チャームといった異業種の会社との共同配送が多いという。

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