「2024年問題」サントリーが手を打った、その効果は?荷主企業としての責任と対策(3/5 ページ)

» 2024年03月21日 06時45分 公開

「モーダルシフト」「デジタル技術」を活用し、物流現場の就労環境を改善

 また、500キロ以上の中長距離区間の配送では、船舶や鉄道を活用したモーダルシフトを進めている。07年から23年の16年間で、モーダルシフト率は51.5%から65.9%へアップした。

 自社単独だけでなく、他社と共同でコンテナを活用する取り組みも実施している。また、23年7月からは東京〜盛岡間の輸送について、国際海上40フィートコンテナ(国際的にISO規格で標準化されているコンテナのこと)を使用した鉄道輸送の取り組みを開始した。一般的な鉄道コンテナより大型のサイズであり、今まで空(から)で輸送されていたコンテナに製品を積載し活用している。

 月20個のコンテナを稼働させており、これはトラック台数で約240台分/年に相当する。ドライバーの運転時間も約1800時間削減することに成功した。

photo モーダルシフト率もアップしている

 サントリーが取り組むのは、ドライバーの就労環境改善ばかりではない。デジタル技術を活用し、積荷作業などを行う倉庫でも自動化・省力化を推進している。無人での格納・出荷が可能となる自動倉庫システム、自動運転フォークリフトなどを導入し、倉庫作業員の負担軽減も行っている。

 さらに、倉庫ではトラック運転手の荷待ち時間を短縮させるため、到着前からバース(荷物の積み下ろしに使用するスペース)を確保できる予約システムの導入も進めている。

photo 倉庫を走る自動運転フォークリフト

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