「2024年問題」サントリーが手を打った、その効果は?荷主企業としての責任と対策(2/5 ページ)

» 2024年03月21日 06時45分 公開

共同配送でドライバーの就労環境を大幅に改善

 「弊社の製品は重く、トラックの積載重量制限のためフル重量で積載した場合でも容積率は60%程度と余裕があった。そこで、紙などの軽い製品を扱う事業社と共同で輸送を行うことで、空いたスペースを有効に活用でき、積載効率アップに成功した」

 大王製紙グループやユニ・チャーム側としても、単体で輸送すると容積率は100%近くになるものの、重量には余裕がある。共同配送することで、容積、容量ともに無駄なく効率よく配送できるメリットがある。

photo トラック積載イメージ

 大王製紙グループとの取り組みは他にもあり、例えば3人のドライバーがリレー形式で輸送を行う「スイッチ輸送」が挙げられる。この方式は、輸送エリアを関東・中部・関西に3分割することで、配送距離と拘束時間を削減する。外泊が必要だったドライバーも日帰りが可能となるなど、ドライバーの労働時間を短縮するとともに、労働環境を改善させた。

 サントリーは、スイッチ輸送を含む他社との共同配送を実現するにあたって、「全国的に展開できるかどうか」を重視した。

photo 貨物部分を交換してリレー方式で輸送

 「ひとつの取り組みを進めるとき、なるべく『点』で終わらず、『面』で展開できるようにしている。全国展開するメーカー同士で組むからこそ、どのエリアにも展開しやすいという利点がある」と大泉氏は言う。

 大王製紙グループとの共同配送により、運転時間は年間で約2600時間削減(計画比124%)し、CO2は約140トン/年(同121%)、輸送トラック台数は約240台/年(同133%)削減したという。

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