大泉氏は「輸送能力不足の深刻化は2024年問題で始まるわけではなく、ましてや24年に終わるものでもない」と説明する。時間外労働の上限規制や荷待ち時間の短縮義務化だけでなく、トラックドライバーの高齢化、DXの遅れなど、物流業界には課題が山積している現状だ。
そこで、サントリーは20年5月より、各物流協力会社から現場の課題を挙げてもらい、荷主として共同で改善にあたる「物流で楽してみなはれ大賞」という活動に取り組んでいる。
営業部署と連携し、完全休配日を年間で2日増やすことで現場の負担を軽減したほか、従来ファックスで行っていた業務をシステム化して年間のべ1万3000時間の工数を削減するなど、開始から4年間で61件の課題解決に成功しているという。
この取り組みに対し、物流企業側からは「提案内容を聞いて終わりではなく、フィードバックをもらえるのが良い」という声が寄せられるなど、評価を得ている。
「問題が発生するのは物流の現場でも、その原因は荷主側にあることが多く、また課題の解決も荷主側にしかできない。荷主企業として、物流現場の負担をいかに減らすかを考えなければいけない」
例えば、受注から出荷までのリードタイムが短い場合、物流の現場では長時間労働するしか解決の選択肢がないことが多い。サントリーは「仕組みを整えるのは荷主企業が負うべき責任」だと考えている。
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