フィットネス市場、前年度から10%増の6500億円に到達見込み chocoZAPなど「少額ジム」急増で市場が回復(1/2 ページ)

» 2024年03月29日 17時00分 公開

 コロナ禍で落ち込んだフィットネス需要が急回復している。帝国データバンク(東京都港区)が実施した調査によると、2023年度の「フィットネス市場」は6500億円前後となることが分かった。コロナ禍の22年度(5835億円)から約10%増加し、過去最高だった19年度(7085億円)の9割前後まで回復するとみられる。

photo フィットネス市場が回復傾向に(画像はイメージ、提供:写真AC)

 主要なフィットネス事業者の店舗数推移をみると、23年度末時点では5900店前後に到達するとみられ、市場規模と同様に10%前後の伸び率で推移する見込みとなった。

 10年前に比べると2.3倍の増加となったほか、20年度末(4387店)以降からも1000店増と急拡大した。「chocoZAP」などに代表される少額・小規模ジムの出店増が全体の店舗数を押し上げた。

photo 「フィットネス」市場推移(出所:プレスリリース、以下同)

 コロナ禍で市場規模は大きく減少したものの、在宅勤務などの長期化で健康への意識も広がり、ジムの利用者は回復傾向にある。帝国データバンクは、1週間当たりの滞在時間が短く、「タイパ」に代表される価格帯に敏感な若年層を取り込んだ月額3000円前後の割安な業態の成長が、業界全体の市場拡大をけん引したと分析する。

 また、トレーニングやエステに特化し、運動初心者や女性をターゲットにしたパーソナルジム業態など、新たな利用者層を取り込んだ業態の拡大が進んだことも、アフターコロナ下で目立つ特徴的な動きだった。

photo フィットネス利用者数の推移
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