開業が先送りされ、見通しも立たなくなったことで、リニア開業に見据えて一体的なまちづくりを進めている沿線の自治体は計画修正を余儀なくされそうだ。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、品川−名古屋間の開業で移動時間短縮や企業の生産性向上によって約10.7兆円の経済効果が試算されるが、「そろそろ開業の遅れによる経済損失も考えるべきだ」と指摘する関係者もいる。
リニア建設を巡っては水資源や生態系への影響などについて、JR東海と静岡県の間で主張の隔たりが大きく、溝が埋まらないでいる。JR東海の丹羽俊介社長は昨年4月に就任後、就任挨拶以外で川勝知事とのトップ会談を開いていない。「小異を捨てて大同についてほしい」。国交省の有識者会議座長の矢野弘典産業雇用安定センター会長はこう呼びかけた。(万福博之)
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