小林製薬「紅麹問題」、最大3.3万社に影響 食料品として多く流通か

» 2024年04月01日 16時15分 公開

 「紅麴」を使用したサプリメントの健康被害が話題となっている小林製薬から、紅麹を仕入加工・販売した企業の間で、製品回収などの影響が広がっている。帝国データバンクが発表した調査結果によると、同社製の紅麴原料を使用した製品は、国内で最大3.3万社に流通している状況だ。

photo 小林製薬の「紅麹」問題で波紋が広がっている(出所:同社公式Webサイト)

 小林製薬による紅麹原料の供給先は、のべ225事業者。そこからさらに直接の仕入れや販売関係がある「1次販売企業」は873社、原料などの仕入れで取り引きがあり、流通や加工を行う「中間流通・製造など(1次仕入加工)」の企業は3878社だった。加えて、1次仕入加工企業から商品の仕入れや販売などの関係がある「2次仕入・販売企業」などを含めると、最終的に国内3万社超に小林製薬製の紅麴原料を使用した製品が流通している可能性がある。

photo 小林製薬製「紅麹」由来の製品・仕入れに関連する企業(出所:プレスリリース、以下同)

 業種別では、1次加工企業のうち最も多いのは「製造業」で2423社(49.6%)だった。そのうち「飲食料品製造」が1778社(36.4%)を占めた。2次仕入・販売企業を含めた約3.3万社のうち最多は、食品スーパーなどを含めた「飲食料品小売」で5582社(16.6%)だった。

photo 一次加工・仕入・販売企業 業種別社数
photo 小林製薬製「紅麹」由来の製品・仕入れに関連する企業 業種別(全体・1次仕入企業)

 小林製薬製の紅麹を原料として生産・流通した食品メーカー各社は、商品の回収を急いでいる。厚生労働省は173の事業者に対し、健康被害の有無について報告を求める方針だが、同社以外の紅麹原料を用いた製品を製造販売する企業に風評被害を懸念した動きがみられるなど、混乱が生じている。健康被害の原因物質や流通先の特定は長期にわたる可能性が高く、販売企業などでは事態の収拾まで対応の長期化が想定される。

 調査は、小林製薬が直接紅麹原料を卸している52事業者および、紅麹原料を入手している企業173事業者から製品などを仕入れている企業を対象に実施した。

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