生活防衛意識が高まり、セブンの149円「パン」が好調 背景に経済性を求める声

» 2024年04月11日 16時09分 公開
[昆清徳ITmedia]

 セブン&アイ・ホールディングスは4月10日、2024年3月度におけるセブン‐イレブンの売り上げ状況・商品動向を発表した。

 既存店売り上げ(前年比)は99.8%、全店売り上げは同100.0%だった。また、既存店の客数は同98.7%、客単価は同101.1%という結果に。

どんなパンが売れているのか

 同社によると、例年に比べて全国的に気温が低く推移し、降雨日数が多かったことから、売り上げ、客数ともに前年を下回ったという。客単価については「おにぎり2個購入で50円引き」や「ななチキ各種199円セール」などがプラス要因になったとしている。

 個別商品の動向については、複数個入りのパン「マルチパック」の販売が継続して伸びているという。具体的な商品としては「セブンプレミアム チョコチップ入り ふわもちチョコスティック6本」(149円)などだ。

売り上げ好調なチョコスティック6本入りのマルチパック商品(出所:セブン‐イレブン公式Webサイト、以下同)

 個別の売り上げ動向は不明だが、マルチパックに該当する商品としては「たまごサラダパン3個入」(149円)や、「ふんわりレーズン バターロール4個入」(138円)がある。

 マルチパックの対象となる商品は、袋の中に複数の菓子パンや総菜パンが入ったものだ。同社はマルチパックが好調な理由として、利用客の「生活防衛意識が高まっており、経済性を求める声が多い」ことを挙げる。また、行楽やおやつ需要といったさまざまなシーンで利用できることも背景にあるという。

セブンでは、複数個入りのパン「マルチパック」が好調
セブンでは、複数個入りのパン「マルチパック」が好調

 コンビニ各社では、消費の二極化に対応した動きを強めている。セブンの場合、弁当やアイスといったカテゴリー内の商品を価格別に「松」「竹」「梅」と分けて訴求している。特に経済性の高い商品については、店内で「うれしい値」といったポップを付けてお得感をアピールしている。

セブンでは消費の二極化に対応するため、経済性の高い商品をポップで訴求している

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