新築マンションの価格上昇が続く 人気物件の特徴は?(3/3 ページ)

» 2024年04月16日 10時25分 公開
[産経新聞]
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企業間競争さらに加速

 しかし、関西の都心部では優良な物件を建設できる土地が限られている。その中で関西を基盤とする不動産会社が首都圏や海外などで事業展開を加速する傾向が鮮明になっている。中でも笹原氏が注目するのが「電力や電鉄など、グループ全体の経営基盤に強みを持つ企業」だ。

 関電不動産開発(大阪市)の藤野研一社長も2月下旬、東京・渋谷で新オフィスビルの開業について会見し、関西以外の地域においても事業を強化する必要があるとの考えを強調。「やはり首都圏、海外事業を伸ばしていかないと、1兆1千億円の資産規模は達成できない」と述べた。

 同社は現在、都内の一等地である南麻布でタワーマンション建設を計画しているほか、横浜市でも約500戸規模の大規模マンション開発を計画している。さらに米国や東南アジアなど、海外でのマンション開発も推進している。

 ほかにも、京阪電鉄不動産(同)は名古屋や沖縄、北海道などでタワーマンションの開発・販売を進めている。親会社の京阪ホールディングス関係者は「関西だけでは市場が限られる一方、首都圏中心部は価格が高騰しすぎており、首都圏の周辺部や、地方の主要都市での事業展開を進めている」という。

 阪急阪神不動産(同)も「関西に次ぐ重要エリアは、やはり首都圏になる」としている。同社は2月にも、インドネシアでの新たな住宅分譲事業を発表するなど、東南アジア各地での住宅事業を展開している。

 逆に、他地域から関西に進出する不動産会社も目立ち始めているという。今後も、付加価値の高いエリアをめぐり、マンション開発を手がける不動産会社間の競争がさらに加速しそうだ。(黒川信雄)

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