「ファーウェイカー」が存在感を増している、新たな課題は?(1/3 ページ)

» 2024年05月07日 07時08分 公開
[産経新聞]
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 中国IT大手の華為技術(ファーウェイ)が自動車分野での存在感を増している。電気自動車(EV)を上回る成長をみせている中国のプラグインハイブリッド車(PHV)市場で、同社が技術協力する中堅メーカーの1〜3月期のシェアが前年同期の約6倍に急拡大したことが分かった。車とITの融合が進む中、ファーウェイの自動車技術は、同社に安全保障上の懸念を持つ米国や日本車各社の警戒対象となりそうだ。

photo 北京国際モーターショーに出展した中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が北京汽車と共同運営する新ブランド「STELATO (ステラト)」=4月26日、北京市(三塚聖平撮影)

米中で堅調なPHV

 調査会社のマークラインズのデータを基に米中2大市場のEVとPHV、ハイブリッド車(HV)の1〜3月期の販売動向(商用を含む)を比較したところ、中国ではEVが前年同期比約12.9%増、PHVが約75.2%増、HVが約3.1%減。米国はEVが約10.8%増、PHVが約42.9%増、HVが約45.3%増だった。

 充電してEVとして走行できる一方、エンジンを発電などに使うことで長距離走行での電池切れの不安がないPHVの需要が米中でともに大幅に拡大した。

特に中国では通年でも2022年に前年比約2.5倍(EVは約80.1%増)、23年も約80.3%増(同16.3%増)と高成長が続いており、エコカーの主役をEVから奪う勢いだ。

 牽引(けんいん)役は200万円を切るガソリン車並みの価格で攻勢をかけるEV大手の比亜迪(BYD)で、23年の中国PHV市場でのシェアは5割を超える。だが、同社の今年1〜3月期のシェアはトップながら約38.9%と急減した。ファーウェイが支援する中堅の賽力斯集団(セレス・グループ)のシェアが前年同期の2.1%(6位)から12%(2位)と飛躍したためだ。

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