バス運転手の時間外労働時間の上限が規制される「2024年問題」をめぐる人手不足が修学旅行にも影響している。旅行業界大手の近畿日本ツーリストが中学校の修学旅行で貸し切りバスを手配できず、一部行程を変更する事態となった。修学旅行以外でも路線バスが大幅な減便に追い込まれるなど、バス運転手不足の市民生活への影響は深刻だ。
今月13日、KNT−CTホールディングス傘下の近畿日本ツーリスト(東京)は、東京都内の中学校に通う生徒の保護者に対し、バスの手配ができなかった旨を伝える文書を配布した。
運転手不足と時間外労働の上限規制により、バス会社から断りの連絡があったと書かれており、交流サイト(SNS)上に文書が投稿されると「大手が断られることがあるのか」といった驚きの声が広がった。
近ツーによると、新大阪発奈良行きのバスを確保していたが、学校側と相談して京都発に計画を変更。改めてバス会社に依頼したが、新たなバスを確保できなかった。同社の担当者は「バス会社側に落ち度があったわけではない。手配できなかった理由も確認したわけではなく、あくまで憶測。誤解を生む文書を配布してしまい申し訳ない」と説明した。
別の中学校1校でもバスが手配できなかった。ただ、いずれも鉄道などの代替手段で対応できるという。生じた料金の差額は保護者側に返金するとしている。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング