人的資本が注目を浴びる中、多くの企業は人材育成施策に取り組んでいる。
eラーニングを導入している企業の人事の7割が「効果あった」と考えているのに対し、他部門の社員の半数以上が「効果を感じていない」ことが、キャリアスクールを運営するリンクアカデミー(東京都中央区)の調査で明らかになった。なぜそのようなギャップが生まれるのか?
eラーニングについて、「とても効果があった」と回答した社員は8.2%。「ややあった」とした35.2%と合わせて、eラーニングに効果を感じている人は43.4%だった。一方で、人事部で「とても効果があった」と回答した人は19.2%に上り、「ややあった」とした51.8%と合わせると71.0%が効果を感じている結果に。人事部と社員の間に回答の乖(かい)離が見られた。
効果がなかった理由について、人事部は「学習意欲がない」が最も多く、40.0%に上った。一方の社員は「業務に対して実践的ではない」が最も多く、29.3%が回答した。
また、社員の25.9%が「学習コンテンツが自分に合っていない」としたのに対し、人事部は13.3%にとどまる結果となった。「当人の意欲」が原因と思っている人事部に対し、社員は「意欲を起こさせる仕組み」に原因があると思っている様子がうかがえる。
想定しているコンテンツ量を視聴している人はどれくらいだと思うか。人事部、社員ともに約半数が、想定しているコンテンツ量を視聴している人は「50%未満(分からないも含む)」と回答した。社員については「分からない」と回答した人が27.9%と3割に迫り、育成進捗についての社内周知や強制力に課題がある様子がうかがえる結果となった。
想定する受講率が低い理由については、人事部、社員ともに「受講する時間がない」「受講するモチベーションが湧かない」が上位2つとなった。3番目に多かった回答については、人事部が「内容が希望と違う」(26.6%)としたのに対し、社員は「価値・意義を感じない」(18.9%)と回答。上位2つと合わせて、受講までの動機付けが弱いことが明らかになった。
調査は5月10〜11日に実施。1023人(eラーニングを導入している企業の人事担当者511人、会社員512人)から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング