「日高屋」を展開するハイデイ日高の業績が好調だ。2024年2月期の既存店客数は前年比で18%増、全社売上高はコロナ禍前の2020年2月期を上回った。人流回復により飲酒客が戻ったことも影響している。
「ちょい飲み」戦略により駅前・都市部で勝者となった日高屋は今後、ロードサイドへの進出を狙う。だが値上げを避けられず、5月31日には3年連続となる価格改定を実施した。ラーメン・餃子・生ビールの組み合わせも、いよいよ1000円を超える。物価高が続く中で日高屋は今後も安さを訴求できるのだろうか。好調な業績の背景と今後の戦略について分析していく。
関東ではよく見る日高屋だが、それ以外のエリアに住む人にとってはなじみが薄いチェーンかもしれない。日高屋は関東、特に都心部の駅前に多く出店するチェーンで、2024年2月末時点で418店舗を展開する。5月29日時点で公式Webサイトから確認したところ、都道府県別では東京都で約190店舗、埼玉県で100店舗弱を展開する。神奈川、千葉はそれぞれ70、50店舗ほど。
5月末の改定でも価格を据え置いた390円の「中華そば」が看板商品であり、麺類は「とんこつラーメン」「味噌ラーメン」「野菜たっぷりタンメン」などさまざまだ。幸楽苑など、標準的なラーメンチェーンのメニュー構成といえる。一方で唐揚げや生姜焼き、ニラレバ炒めなど、定食メニューが豊富な点も特徴である。
ラーメン単品は概ね700円以下、中華そばと半チャーハンのセットは価格改定後でも680円としており、安さを売りとする飲食チェーンとして知られる。生ビールは350円、ハイボールは330円とアルコール類も安く、夜は男性1人の飲酒客も多い。実際に日高屋は「ちょい飲み」のうたい文句で会社帰りの飲酒客も取り込んできた。乗降客数の多い駅では東口と西口の両方に店を構えることもある。
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