今後について日高屋は「首都圏600店舗」という目標を掲げている。埼玉にある行田工場を中心に、これまで通りの駅前出店を続けるほか、ロードサイドにも進出。北関東・甲信越地方も狙うという。セントラルキッチン方式とドミナント戦略を採ってきたため、手広い出店が難しく、あくまで近場に限られるのだろう。
ただ、近年は北関東のロードサイドを押さえる幸楽苑が苦戦している。町田商店系列などの個性的なラーメンチェーンも台頭する中、幸楽苑には以前のような突出した割安感がなく、個性が薄まったためと筆者は考えている。
ロードサイド店は都心店より立地のメリットが小さく、味と価格で勝負する必要がある。メニューの特徴的に、日高屋は幸楽苑と同様、ラーメン店のスタンダードに位置付けられ、何か特別な「味」を目当てに訪れるチェーンとはいえない。
そのため、消費者の価格に対する視線は、今後よりシビアになっていくと考えられる。車で行くロードサイド店は、都心の駅前店のようにちょい飲み需要も期待できない。中華そば390円、満腹感が得られるセットで1000円以下という基準が生命線になるだろう。このまま割安感を維持できるのか、今後の値上げと郊外出店の動向に注目したい。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
日高屋、なぜ中華そば「390円」死守? ほろ酔い「1000円以下」セットとの密接な関係
「日高屋」のハイデイ日高創業者、従業員に株式を贈与 約4億2000万円Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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