スターバックスは2013年に1000店舗を達成、2019年には1500店舗を超えた。現在では約1900店超を展開し、中でも都内には400店もある(6月10日時点)。スターバックスの店舗数が伸びている一方、競合は苦戦している。業界2位のドトールは4月末時点で1063店舗存在しているが、ここ数年で店舗数を減らしている。ドトールが1000店舗を突破したのは2004年であることを考えると、まさに頭打ちの状況だ。
2月期末時点で1004店を構える業界3位のコメダ珈琲店は、ロードサイドという立地や近年のフルサービス型喫茶店の人気もあり、店舗数を増やし続けているものの、スターバックスほどの勢いはない。業界4位のタリーズコーヒーは公式Webサイトによると787店舗を展開している(同前)。駅や空港といった「インフラロケーション比率」を上げる戦略を進めてきたが、こちらも著しく伸びているわけではない。
なお業界5位のサンマルクカフェは293店舗(同前)であり、4位と5位には大きな差がある。競合の動きを考えると、コロナ禍にもかかわらず大きく店舗数を伸ばしたスターバックスは、まさに“一強”のような状態といえる。
スターバックスは郊外及び地方のロードサイドに出店したことで店舗数を増やした。都内や大阪にも出店しているが、近年の出店情報をみると郊外や地方への出店が目立つ。そして、ロードサイドの新店はドライブスルー機能を設けていることが多い。ドライブスルーの専用レーンがあり、客はマイクで注文を伝え、窓口で商品を受け取るスタイルだ。事前にモバイルオーダーで頼むこともできる。
北関東のドライブスルー店を訪れ店内から様子を観察したところ、店員はヘッドセットを付けてドライブスルー利用客への対応をしていた。忙しいときには車が連続で来るため、店内客に対応していない店員は全員、ドライブスルー対応に集中するような様子であった。細かく数えたわけではないが、平日夜の1時間で店内客は4割、ドライブスルー客が6割といったところで、ドライブスルーの人気が高いことが分かる。
スターバックスが国内で初のドライブスルー店を構えたのは2003年。ちなみに米国では1994年からあったという。6月10日時点でドライブスルー店は514店舗と、店舗網全体のおよそ4分の1を占める。ドライブスルー店は標準店と比較して1.3倍の出店コストがかかるものの2〜3割の増収が期待できるという。標準店よりも回転率が高いからだろう。ちなみに2年前には、群馬県伊勢崎市に国内初のドライブスルー専用店をオープンしている。
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