人は期待されてこそやる気が出るし、「能力発揮の機会」があるからこそ、「がんばろう!」と努力することもできます。年齢に関係なくチャレンジするシニア社員が増えれば、それは働くことに不安を抱きがちな若い社員の「光」にもなりますし、「能力発揮の機会」を経験したシニア社員は、若手や部下に「責任は私が取るから、やりたいようにやってみなさい!」とチャンスを与える余裕も期待できます。
昨年、三井住友銀行も含めたメガバンク3行(三菱UFJ銀行、みずほFG)が、相次いで退職者の交流サイトを立ち上げたり、いわゆる“出戻り採用(退職した人の再雇用)”をスタートしたことも話題になりました。こういった動きの背景にも、新しい人事制度にむけて「いい職場を作ろうよ!」という空気が、社内に出ていたからかもしれません。
いずれにせよ、繰り返し書いているとおり、会社=com pa ny。語源は「共にパンを食べる仲間」、つまり共同体であり、チームです。
チームとして機能するためには、年齢と性別とか役職とか関係なく、つながる必要がある。すべての社員が、生き生きと働く環境があってこそ、それぞれが「自分の役目」を最大限に生かす組織ができあがるのです。
メディアが年功序列廃止だけにスポットが当たることで、「うちの会社も年功序列をやめるぞ!」とコスト削減だけに走る、おっちょこちょいな経営者が出てこないことを願うばかりです。
【編集履歴:2024年6月28日午後3時15分 三井住友銀行への事実確認に基づき、記事の一部表現を変更・削除いたしました】
この記事を読んだ方へ チームワークはこう作る!
ワークスタイル変革の第一線を走るサイボウズの青野慶久社長が「ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 夏」に登壇。
「企業の成長」と「働きやすさ」をどう両立させるのか――多くの企業が、組織と従業員のベストな関係を探している。DXやコロナ禍を経てコミュニケーションの形も働き方もガラリと変わった今、“理想的な職場”を実現するカギとは?
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)、『他人の足を引っぱる男たち』(日経プレミアシリーズ)、『定年後からの孤独入門』(SB新書)、『コロナショックと昭和おじさん社会』(日経プレミアシリーズ)『THE HOPE 50歳はどこへ消えた? 半径3メートルの幸福論』(プレジデント社)、『40歳で何者にもなれなかったぼくらはどう生きるか - 中年以降のキャリア論 -』(ワニブックスPLUS新書)がある。
2024年1月11日、新刊『働かないニッポン』発売。
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