サントリーが9年ぶりに“発泡酒”を発売 ビールとサワーのハイブリッドを開発した理由は?(1/2 ページ)

» 2024年07月08日 17時34分 公開
[産経新聞]
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 サントリーは8日、サワーの味わいをビールの醸造技術で実現したハイブリッドな新商品「金麦(キンムギ)サワー」を10月15日から数量限定で発売すると発表した。サワーと銘打っているが酒税法上では発泡酒に分類され、同社が全国で発売する発泡酒としては平成27年10月発売の「パンプキンスペシャル」以来、9年ぶりとなる。サワーとビールを併買するユーザーが増加傾向にあることから、両方の“いいとこ取り”した新商品で需要創出を図る考えだ。

photo サントリーが10月15日に発売する「金麦サワー」=8日、東京都中央区

ビールでサワーの味わい

 主な原材料は麦芽やホップなどビールに用いる自然素材を使用し、香料や甘味料は使っていない。同社のビールで使われている醸造技術や第三のビール「金麦」で使われている低麦芽比率での発酵技術を活用。これに、希少なレモンドロップホップを使うことなどで、ビールに使う原料だけでレモンサワーのような柑橘の風味を実現することに成功した。

 アルコール度数は6%。価格は350ミリリットルで約182円、500ミリリットルで約245円。合計で30万ケース(1ケース=12.66リットル換算)限定で販売する。

 同社が調査したところ、ビール類と缶酎ハイやサワーといった栓を開けてすぐに飲める「RTD」(レディー・トゥー・ドリンク)を併せて買うユーザーが、令和5年までの5年間で49%増加したことなどから、「ビール類とRTD両方を飲むユーザーの2杯目需要を取る狙いで開発」(多田寅常務)。4月から北海道でテスト販売したところ、好評を得たことから全国発売に踏み切った。

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