サイゼリヤ、客数・客単価増で増益 株主優待を廃止

» 2024年07月11日 14時40分 公開
[ITmedia]

 サイゼリヤは7月10日、2024年8月期第3四半期(23年9月〜24年5月)決算を発表した。売上高は1632億7000万円(前年同期比23.6%増)、営業利益は100億6500万円(同182.0%増)、経常利益は105億7100万円(同167.8%増)。当期純利益は51億7600万円(同94.9%増)となった。

photo サイゼリヤが今期の決算を発表(画像は公式Webサイトより)

 国内事業においては店舗における従業員充足率の向上、メニュー施策やDX活用の効果などにより、既存店の客数や客単価が増加。売上高は1061億8200万円(前年同期比21.4%増)となった。

 一方で、資源価格の高騰と円安による、食材やエネルギーの価格上昇も影響し、営業利益は13億4400万円(前年同期は15億7700万円の損失)となっている。

photo 決算短信

 食材の製造などを行っているオーストラリアにおいては、売上高が76億2100万円(前年同期比40.9%増)、営業利益は4億1600万円(同123.8%増)となった。

 また、新規出店を継続的に進めるアジアにおいては、店舗数の増加などにより、売上高は580億8400万円(同30.1%増)、営業利益は82億4800万円(同66.3%増)に。

 人手不足や賃金上昇、円安などを受けて外食産業全体で厳しい状況が続く中、同社は収益力の底上げを目指し、さまざまな施策に取り組む。

 2023年9月には店舗マネジメントレベルの向上を目的として、店舗運営部組織にゾーンマネジャーを設置。また、DX活用の一環として、店舗セルフレジの導入や、QRコードと顧客のスマートフォン端末を使った注文方式の導入を進める。店舗セルフレジについては2024年8月期中の全店導入を計画している。

 また、同日開催の取締役会において、株主優待制度の廃止を決議した。株主への公平な利益還元の観点から、配当による還元に集約することが適切であると判断したとしている。

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