タッチパネルで注文した料理をロボットが配膳し、支払いはセルフレジ――店内のDXが進む近年のファミレスでは、こうした光景が当たり前になってきた。もはや店員が注文を聞き、配膳するようなフルサービスは過去のものになりつつある。しかし、ファミレス各社の取り組みを比較すると、意外にも違いがあることが見えてくる。各社の施策とその共通点や違いを解説していく。
まずはすかいらーくホールディングス(HD)のDXについて見てみよう。すかいらーくは(1)デジタルメニューブック(タッチパネル注文)、(2)配膳ロボット、(3)セルフレジの3点から店舗のDXを進めてきた。
タッチパネルは2020年3月に導入を開始し、22年9月にはガストやバーミヤン、しゃぶ葉など同社が展開する主要ブランドへの導入を完了した。タッチパネルでの注文は店員の注文聞き取り作業を削減できるため、回転率の向上に貢献。その他にも時間帯や客層によってメニューを自動で切り替えられるといったメリットがあったという。
配膳ロボットは、中国のロボットメーカーであるPudu Roboticsが製造する「BellaBot」を導入している。おおむね子ども1人分の大きさで、パネルと耳の形状で猫らしい見た目が特徴だ。1段につき最大10キロまで積めるトレー4段で構成しており、合計40キロまで一度に運べる。充電時間は4.5時間で、稼働時間は13時間だ。
すかいらーくHDは同ロボットを21年8月に導入を開始。筆者が実際にガストへ足を運んだところ、注文した料理をロボットが運んできた。客が自分で料理をテーブルに乗せ、完了ボタンを押すと、ロボットが自分で厨房に帰っていく。
セルフレジは17年1月から試験導入を進めており、22年7月から本格的な展開を開始した。基本は現金非対応で、電子マネーとクレジットカードに対応している。既存の有人レジをセルフレジ化する技術も開発しており、新しいレジはモニターを回転させることで、従業員モードとセルフレジモードに切り替えられる仕組みだ。すかいらーくHDは24年上期中の全店セルフレジ化を目標としており、その他にもQRコード決済を通じたテーブル決済を既に本格稼働している。
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