契約手続きをシステム上で完結できる電子契約は、押印・郵送といった手間やコストがかからないのが最大の特徴だ。しかし、電子契約を使っていても、引き続きハンコも利用しているという会社は8割に上ると、弁護士ドットコム(東京都港区)による調査で明らかになった。ハンコの利用が続いている理由とは。
直近1年間で、ハンコを使う社外向け書類の手続きに関わった経験がある人は84.7%に上った。
ハンコの使用頻度が高い社外向け書類には「契約書」が最も多く86.4%。次いで「公的な申請書類など」(43.5%)、「注文書」(39.0%)と続いた。
社外でハンコの使用が続いている理由について、最も多い回答は「顧客や取引先の意向で電子化が難しいから」で65.0%に上った。回答者からは「先方都合によるもので当方ではどうにもできない」「電子印に抵抗がある顧客もいまだに多く、自社で対応できても推進できないケースがある」という声が寄せられた。
その他には「制度的に押印が必要な文書がある」(35.6%)、「昔からの慣習で、変えることにコストがかかる」(20.3%)といった回答が上位になった。
また「自治体は電子契約での対応が不可でいまだにハンコ」といったコメントも見られ、デジタル化を推進している行政手続きにおいても、ハンコを用いた手続きが残っていることが分かった。
一方、同じく直近1年間で、社内向け書類においてハンコを使う手続きに関わった経験がある人は69.9%だった。
ハンコの使用頻度が高い社内向け書類は「各種申請書類」が61.0%で、最多となった。次いで「議事録」(36.3%)、「稟議書」(30.8%)と続いた。その他、「ISO関連の記録類」「経理書類」といった回答も見られた。
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