サイネージスイングドアが完成して、次に何を行ったのか。ディスプレイに動画を流して、お客はその商品を購入するかどうかの実験である。
神奈川、千葉、大阪、三重のスーパー4店舗で、1カ月ほど効果を検証した(期間は2022年12月から2023年2月にかけて)。鍋つゆのレシピ動画を流したところ「関連商品」の売り上げは、前年同時期と比較して、全店で増加したのだ。PI値(レジ通過客1000人当たりの購買指数)が最も伸びたのはB店で93%、次いでD店が60%、A店とC店はいずれも12%という結果に。
サイネージスイングドアが売り上げを大きく“スイング”させたわけだが、残念ながらデータの母数が少ない。また、現状の課題は「導入店舗の数」である。これまでになかった製品であること、製品の特性上なかなか交換しないこと。こうした背景があって、導入は10台ほどにとどまっている。
じっくりじっくり売っていく作戦のようだが、この市場でトップを独走している会社にとって、この数字はちょっぴり寂しい。というわけで「壊れないこと」「安全であること」をアピールして、導入台数を増やしていく構えである。
それにしてもスイングドアというのは見せるドアではなく、これまではどちらかというと“見られたくないドア”だった。しかし、新しいドアを設置すれば、一人でも多くの人に見てもらうドアに生まれ変わらなければいけない。
「あれ、なんだろう。このドアで動画が流れている。ちょっと買ってみようか」――。こうしたお客が増えていけば、未来の“扉”が開くかもしれない。
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