「無人餃子」閉店ラッシュの中、なぜスーパーの冷凍餃子は“復権”できたのかスピン経済の歩き方(2/7 ページ)

» 2024年11月20日 06時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

冷凍餃子の売り上げはパッとしない?

 冷凍餃子最大手の味の素冷凍食品(以下:味の素、東京都中央区)の調べでは、2010年4月から2021年3月にかけて、市販用冷凍餃子売り上げ(金額ベース)は約2倍に伸長している。もともと冷凍餃子というものを世に出した味の素は大きなシェアを握っており、「大阪王将」で知られるイートアンドフーズ(東京都品川区)とともにツートップとして市場をけん引している。

味の素冷凍食品調査による冷凍餃子の市場規模(出典:味の素冷凍食品のプレスリリース)

 ただ、伸長はしているが、ずっと順調に成長しているわけではない。2016〜18年の3年は横ばいで、以下のような記事が出るように、王者・味の素もパッとしなかった。

 『味の素、「冷凍ギョーザ」の販売が冴えないワケ』(東洋経済オンライン 2019年2月15日)

味の素冷凍食品の冷凍餃子(出典:味の素冷凍食品のプレスリリース)

 背景にはいろいろあるが、味の素が2012年に開発した「水なし・油なし」という調理方法が競合品でも当たり前になったことで、「似たような冷凍餃子」ばかりになってしまったことも大きい。

大阪王将の羽根つき餃子(出典:イートアンドフーズのプレスリリース)

 2018年7月には味の素のライバル、イートアンドフーズ運営の「大阪王将」が「水なし・油なし・フタなし」という画期的な冷凍餃子を世に送り出したことで市場は再び成長していくが、3年間の「隙」をつく形で新たなプレーヤーが参入してくる。「餃子無人販売店」だ。

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