日本にサブウェイが上陸したのは、1992年。1号店を東京の赤坂見附にオープンした。サントリーが子会社として日本サブウェイを設立し、米国本部とマスターフランチャイズ契約を結んで、しばらく米国式の商品とサービスで展開していたが、まだ時期尚早だった。自由にパンや野菜の量などを選べるスタイルが日本になじみがなく、パンの固さなどが受け入れられず、伸び悩んだ。
その後、1999年から日本人の好みに合ったしっとり感のあるパン生地を採用したり、日本独自のメニューを投入したりと、ローカライズ戦略を基に成長。最盛期の2014年には、国内で500店近くまで伸びた。にもかかわらず、また伸び悩むどころか不調に陥ってしまった。5年後の2019年末には200店ほどに半減している。
背景には、コンビニのサンドイッチやサラダメニューの拡大に加え、いわゆる「パワーサラダ」専門店の台頭、急成長で人材が育っていなかったためのサービス低下などがあったとされる。そのころサブウェイ本部は、海外店をマスターフランチャイズから直営へとシフトしていた。日本もサントリーホールディングスが2016年に、株式の65%を本部へと売却。2018年には残りも売却して、完全に手を引いた。
とはいえ日本から撤退まではいかず、新生・日本サブウェイはコロナ禍でさらなる不採算店の整理を進め、185店にまで減っていた。2023年には本部の経営が投資ファンドへと変わり、再び海外店をマスターフランチャイズに戻す動きが進む。過去3年、中国など20カ国以上でマスターフランチャイズ契約を締結。2024年の新規開店の40%以上がマスターフランチャイズ各社がオープンしており、サブウェイの成長エンジンとなっている。
11月14日にワタミが開催した2025年3月期上期決算説明会で、渡邉会長は「10月25日から3週間、サブウェイについてさらに知見を深めた」とし、「これからの日本のサブウェイの味は、ワタミが決めることに了承をいただいた。もっともっとおいしくなる」と、自信を見せた。
なぜ、渡邉会長はサブウェイが大きく成長すると思えるのか。現在国内で展開している178店に年間で赤字の店舗は1つもなく、全店が黒字なのが大きい。6.5坪と狭い立地で出店でき、駅前や郊外、学校や病院など場所を選ばないのも、有利な点だ。渡邉会長によれば「2000万円の投資で、6000万円の回収ができている」という。
サブウェイは「病み上がり」のワタミを救えるか 成功のカギは2つ
ワタミ、SUBWAYの日本法人を買収 フランチャイズ展開強化、海外進出も狙うCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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