残念な上司が作る「ムダ資料」には、3つの特徴がある。
それでは、一つ一つ解説していこう。
多くの上司は、自分が知りたい情報だけを反映した資料を作りたがる。
例えば何が問題なのか、どの施策が成功しているのか、進捗状況はどうか。これらの情報を知りたいがために、多くの項目を資料に盛り込んでしまう。
このように、多くの情報を求めた結果、資料が冗長になり、要点が分かりづらくなる。特にフリーフォーマットの資料の場合、具体性に欠ける内容になりがちである。
例えば「今月の売り上げが予算を下回った理由は何ですか?」といった問いに対し、部下が「多忙で十分な営業活動ができなかった」とだけ記載する場合がある。この曖昧(あいまい)な記述では、原因や具体的な改善策を見いだすことは困難である。
特に文章力が低い部下が作成した資料は、上司が読んでも内容が理解できず、会議中に説明を求めた結果、さらに混乱が生じることが多い。
残念な資料は、何が問題なのか一目で分からない。
文章がだらだらと書かれている、もしくは数字が羅列されているだけの場合、資料を読み解くために余計な労力が必要になる。これでは、資料が本来持つべき「建設的なコミュニケーションの道具」「意思決定を支援するツール」としての役割を果たせない。
例えば、異常値や課題がどこにあるのか、改善すべきポイントがどこなのかが分からない資料は、コミュニケーションを円滑にするどころか、かえって混乱を招く。
上司が変わるたびに資料の形式や内容が変更される。これは本当にマズい。組織全体のルールが確立されていない証拠である。
属人的な資料で運用されている組織では、上司が自身の好みに合わせて資料を変更し、前任者の形式を無視することが多い。
例えば新任のマネジャーが「このフォーマットは見づらいから変える」と言い、別の形式を導入する。この結果、過去のデータとの比較が困難になり、長期的な視点での分析や改善が難しくなる。
資料は、組織全体で一貫したルールに基づいて運用されるべきであり、上司個人の好みに依存するべきではない。
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