リスキリング施策の実施率は約40%──。そのような結果が、リスキリング支援サービス「Reskilling Camp」を提供するパーソルイノベーション(東京都港区)の調査で分かった。2025年、企業は従業員のリスキリングにどれくらいの予算を割いているのか。
直近の1年間で、従業員のリスキリング施策に関する取り組みを実施した企業は、2024年9月に実施した前回調査から0.4ポイント減少し41.8%だった。
企業規模別に見ると、「大企業」では63.0%、「中小・スタートアップ企業」では、31.9%が実施していた。リスキリング施策は、大企業が先行して取り組んでいる様子がうかがえる。また「製造業」では55.8%が「実施した」と回答し、他の業種と比べると実施率が高い傾向が見られた。
リスキリング施策において、どのようなスキルを重視しているのか。全体の1位は「データ活用」となり36.8%。2位は「セキュリティ」(36.4%)、3位は「ITプロジェクトマネジメント」(32.7%)と続いた。
企業規模別に見ると、大企業の1位は「セキュリティ」となり42.0%に上った。2位は「データ活用」(40.6%)、3位は「ITプロジェクトマネジメント」「クラウド活用」(39.9%)。一方で、中小・スタートアップ企業の1位は「データ活用」となり33.1%。2位は「セキュリティ」(31.4%)、3位は「ITプロジェクトマネジメント」(25.6%)となった。
2025年度のリスキリング施策の中で最も注力・強化したいスキルとは。「ビジネス・BIZ」「バックオフィス」「技術・研究」 の3つの職種において、1位は「AI活用(ChatGPTなど)」となりいずれも約30%だった。
リスキリング施策について「成果を実感できた」とした企業は55.0%だった。「大きな成果が実感できた」とした16.0%と合わせると、リスキリング施策の成果を感じている企業は71.0%に上った。
2025年度も「継続してリスキリング施策の実施計画・意向がある」企業は22.4%、「新たにリスキリング施策の実施計画・意向がある」企業は18.0%だった。また、製造業のリスキリング実施意向は58.4%と、リスキリングの実施率と同様に他の業種より高い傾向が見られた。
2025年のリスキリング施策の年間予算については、「500万〜1000万円未満」が一番多く36.9%に上った。以降は「500万円未満」(18.8%)、「1000万〜3000万円未満」(18.1%)と続いた。一方で、年間予算として「1億円以上」の計画をしている企業も8.5%あった。
業種別に見ると、製造業では「500万〜1000万円未満」が35.2%、「1000〜3000万円未満」が26.3%と、多額の予算を組んでいる結果に。一方で、通信情報サービス業においては「500万〜1000万円未満」が29.7%、「1億円以上」が13.5%と、年間予算において、大きな差が見られた。
調査は2024年11月5〜9日にインターネットで実施。企業に勤める全国の男女660人から回答を得た。
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