この記事は、横山信弘氏の著書『トップコンサルタントの「戦略的」勉強法』(翔泳社、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
「言ってることは正しいが、あなたから言われると、なぜかやりたくなくなる」
コンサルタントになった当時、こう指摘されることが増えた。
コンサルタントが人を説得する際、論理的に話すことが多いせいだろう。しかし、どんなときでも論理的に話したら相手を動かすことができると思ったら大間違いだ。
「理屈っぽい」
「鼻につく」
こう言われることも多くなる。人間はコンピュータとは違う、感情の生き物だ。入力データが正しくても動かないときはあるし、反対もしかり。理屈に合わないことを言われても動き出してしまうのが人間だ。
そこで今回は、ストーリー形式で話す「ストーリーテリング」のスキルについて徹底解説していこう。このスキルを身に付け磨くことで、メンバーやお客さまの心をがっちりつかめるようになる。
企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。
ストーリー形式で話すことは相手の心を動かす際に効果的だ。情熱をもって伝えたいことがあるときはうまく活用しよう。物語で話したほうが感情を込めやすくなる。
では、ストーリー形式で話すにはどうしたらいいのだろう? それを解説する前に、そもそも「物語」とは何なのかについて簡単に触れたい。
物語は時間の流れに沿って表現されることが特徴で、聞き手に情緒的な感動を与える作用がある。相手に事実を伝えるだけであれば、あえてストーリー形式にしないほうがいい。「経歴」や「年表」のように時系列に事実を羅列するだけで事足りる。
複数の登場人物が出てきたり、状況描写を細かく表現するのは、相手の心にさざ波を起こすことが目的だからだ。従って、誰が聞いても心が動かされないような内容であれば、物語としての力がない、またはその必要がないといえよう。
それではどうしたら相手の心をつかむ物語を作ることができるのだろうか?
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