こうした問題に対し、米国では「従業員エンゲージメント」に焦点を当てたプログラムが成功を収めた事例もあります。Googleが創業当初から導入している「OKR(Objectives and Key Results)」は、組織全体の目標と個人の目標をリンクさせる仕組みです。
このプロセスでは、個々の従業員が明確なゴールを持ち、その達成状況が定期的にレビューされます。上司と部下が定期的に対話を行い、目標の進捗や課題を共有することで、部下の意見が単に「聞き流される」状態を防ぎます。
OKRの運用プロセスは以下の通りです。
GoogleがOKRを活用して成功した例として、Gmailの開発が挙げられます。Gmailチームは、OKRを通じて次のような目標を設定しました。
このように、Objectiveには大きな目標を、Key Resultsには数値などを伴うより詳しく具体的な目標が設定されているのがポイントです。OKRによる挑戦的かつ具体的な目標設定と、上司との細やかな対話がGmailをはじめとしたGoogleのイノベーションを支えてきたのです。
最近では、日本でも対話型アプローチを取り入れた企業が増えていますが、形式的な「対話会」や「エンゲージメント調査」に終始するケースが少なくありません。Googleの事例に学ぶべきは、単なる形式的な施策ではなく、目標と行動を明確に結びつける仕組みを構築することです。
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「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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