銀行・政府などの支援によって“延命”している状態の「ゾンビ企業」が、コロナ禍以降で初めて減少した。帝国データバンクが調査結果を発表し、2023年度のゾンビ企業は推計22万8000社で、前年から3万社超の減少となった。企業倒産や廃業を通じ、一定の新陳代謝が進んでいることがうかがえる。
国際決済銀行では、3年連続で「インタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)」が1未満かつ設立10年以上の企業をゾンビ企業と定義している。2024年11月末時点で、帝国データバンクが保有するデータベース「COSMOS2」のうち、3年連続でICRが判明し、設立から10年以上の企業は10万9071社。
そのうち国際決済銀行の定義を満たす企業の割合は、15.5%だった。COSMOS2の約147万社を母集団に算出すると、国内には約22万8000社のゾンビ企業があると推計できる。
帝国データバンクによると、2023年度は5月に新型コロナの「5類移行」に伴う社会経済活動の正常化や、価格転嫁が少しずつ進み、ゼロゼロ融資の元本返済開始による過剰債務状況の改善などもあり状況が一変したという。各種の私的整理スキームなどを通じて、既存ゾンビ企業の「新陳代謝」が一部で進んだこともあり、直近1年で3万4000社減少したという。
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