クルマにおけるデザインの魅力を前面に押し出したモデルは、これまでもさまざまなアプローチで登場している。最初にレトロテイストのクルマを作り上げてブームを起こしたのは、日産自動車だった。
パイクカーと呼ばれる、いにしえの名車をモチーフとした温かみのあるデザインで仕上げられた日産のクルマたちがヒットしたのは、1980年代後半のことだ。
同じ頃、エアロパーツメーカー老舗のDAMDがさまざまな名車をモチーフに、カスタムパーツを作り出していった。この流れは現在も続いており、東京オートサロンでも話題を集めている。
光岡自動車は日産マーチをベースに、往年のジャガーMkII(マーク2)をモチーフにしたビュートを発売したことで、パイクカーのムーブメントを広げ、同社のカスタムカービジネスを軌道に乗せた。最近ではホンダ・シビックを往年のマッスルカーのように仕立て、これも人気を集めている。
自動車メーカーでは、ダイハツが軽自動車のミラをローバーミニ風にしたミラジーノを作り出し、他の日本車メーカーも丸型ヘッドライトやラジエターグリルを採用したカスタムグレードを設定する動きが広がった。
トヨタも初期の乗用車であるAA型をモチーフにしたトヨタ・クラシックや、初代クラウンのデザインテイストを盛り込んだオリジンなどのパイクカーを販売したが、これらは台数が少なく価格も高かったので、ちょっと別枠扱いだろう。
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