年末調整は、毎年12月ごろに実施される、給与所得者の所得税を清算する手続きだ。ビジネスパーソンも毎年対応しているはずだが、仕組みが複雑なため負担を感じている人もいるだろう。
労務SEARCH編集部が実施した年末調整に関する調査によると、66.6%が「年末調整の目的や手続きの流れを理解している」(「よく理解している」「ある程度理解している」の合算)と回答したことが分かった。「よく分かっていない」「全く分かっていない」と回答したのは33.4%だった。
「よく分かっていない」とした回答者を年代別にみたところ、若い年代ほどこの回答を選ぶ傾向にあった。具体的には、20代の40.0%、30代の32.8%、40代の22.9%、50代の12.5%となっており、60代以上は0%だった。
年末調整に必要な書類についても9割以上が「把握している」(「全て把握している」「なんとなく把握している」の合算)と回答。提出書類の記入方法についても、67.7%が「理解している」(「全て把握している」「なんとなく把握している」の合算)と回答しており、「よく分かっていない」「全く分かっていない」という回答は32.3%だった。
年末調整の目的や必要書類などは理解しつつも、手続きにおける負担はあるようだ。
年末調整の手続きにおいて、従業員が負担に感じている部分として最も挙げられたのは「書類の記入方法の理解」(52.4%)だった。以降「必要書類の準備」(29.0%)、「提出期限を守ること」(9.3%)と続いた。
多くの人が書類の記入方法について理解することに最も負担を感じており、特に、複雑な計算が必要な箇所や専門用語が多い箇所については、従業員の大きなストレスとなっている可能性がある。
では、従業員は年末調整に関する情報提供の方法としてどんなツールを望んでいるのか? 調査によると、1位は「紙の資料の配布」(33.4%)だった。2位は「個別での質問対応」(25.3%)、3位が「マニュアル動画の視聴」(13.0%)、4位が「メールでの周知」(10.3%)という結果に。
従来のコミュニケーション方法を重視している割合が高いが、マニュアル動画や社内説明会を求める人も一定数いる。情報提供の方法は、従業員の属性や理解度に合わせて多様化する必要があるといえるだろう。
年末調整の手続きを円滑に進めるためにはどうすればいいのか。改善すべき点を調査したところ、最も多かった回答は「書類の記入方法の詳細な説明」(39.3%)だった。以降「必要書類の案内方法」(15.0%)、「現状のままで問題ない」(11.1%)と続いた。
年末調整の手続きにかかる時間も調査した。最も多かったのは「15〜30分」(41.0%)だった。27.7%が「15分以内」と回答している一方で、「1時間以上」と回答した人も9.0%存在した。
手続きにかかる時間は、提出書類の多さに比例することも考えられるものの、年末調整に慣れている人は短時間で終わらせることができる一方、不慣れな人は1時間以上かかることが分かった。
調査は20代以上の男女300人を対象にインターネットで実施した。期間は2024年12月9〜20日。
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