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これからは「LINE活用3.0」 マーケティングを変える“3つの可能性”とは(3/3 ページ)

» 2025年02月12日 09時40分 公開
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LINEを活用したマーケティング 3つの可能性

──LINE活用3.0におけるクライアント支援としてはどのようなケースがありますか。

磯部: 3つの活用パターンをご紹介したいと思います。1つ目が、顧客サービスをLINEミニアプリで実現し、LINEを継続的な接点として活用していくサービス開発型の活用パターンです。顧客の利便性向上やベネフィットの提供などを通じCXを向上していきたい企業様にご提案します。LINE公式アカウントだけではなく、さまざまなUIが実現できるLINEミニアプリも含めた総合的な設計や開発を、ご支援させていただくケースが多いです。

牟田: このパターンでは、サービスの開発や改善を行うなかでLINE公式アカウントのユーザーを対象に、LINEミニアプリを活用したアンケート調査やオフラインのデプスインタビューを実施すると高い効果を見込めます。ユーザーの声を聞くことで、その人の印象に残り続ける「象徴的な体験」を発想し、LINEならではの特性を生かしたサービスとして実現できます。

 結果としてブロックされることなく、つながり続けることができるのです。さらに、LINEを活用した調査スキームでは、企業との距離が近いユーザーを対象にすることができ、調査後も対象となったユーザーと施策などを通して深くつながり続けることも可能です。

木下: 私はこの活用パターンでは、メッセージ配信やLINEミニアプリの制作・運用、チャットボットの設定などのディレクションを担当することが多いです。LINEでは、チャレンジングな取り組みを織り交ぜながら繰り返し、段階的に精度を高めていくアジャイルなクリエイティブワークが可能です。

 個々の配信やミニアプリが単発の施策として終わるのではなく、リリース後もクライアントのご担当者と話し合いながら細かなチューニングを繰り返し、内容を継続的にブラッシュアップしていけるのです。スピーディーな調整、転換ができるのもLINEの特長です。

牟田: 2つ目の活用パターンは、商品の利用体験のサポートとなるプログラムをLINEで構築するオンボーディング型の活用パターンです。日々新商品や新サービスがうまれる昨今、商品の初回利用時の体験がLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)に大きく寄与します。そのような背景もあって、この活用パターンをご提案させていただく機会も増えています。

 生活者が商品の利用を始める時点から、LINEを通じて使用方法や活用のコツなどを伝えていき、商品の利用体験の向上に寄与することで継続利用や関連商品のクロスセルにつなげていくイメージです。これは顧客を育成するための新しいLINEの活用法の一つと言ってもいいと思います。アプリを活用して商品の利用法などを伝えるケースは他にもありますが、LINEは既に多くの生活者が使っているプラットフォームなので、スムーズに活用してもらえます。

 また、オンボーディングだけでなく、新規顧客獲得にもLINEは寄与できます。例えば、オフラインイベントや、SNSでのキャンペーンなどの接点とLINEを連携させていくことで、新しい顧客層へリーチできます。さらには、いろいろなチャネルからLINEに入ってきたユーザーをトラッキングして、メッセージ配信やCXを最適化していくといったことも可能です。

磯部: 新商品とLINEを組み合わせるケースでは、マスにおけるプロモーションの受け皿をLINEが担う場合も少なくありません。プロモーションを通じて関係をつくった生活者との継続的なコミュニケーションをLINEで行うという方法です。マスとの連携によるCRMといった用途でも、LINEは大きな力を発揮するのです。

──3つ目はどのような活用パターンですか。

磯部: 店舗などの接客オペレーションにLINEを組み込む、オペレーション改善型のLINE活用パターンです。あまり店舗に負荷をかけすぎずに来店された顧客とのデジタル接点を獲得し、データを取得していきたいといったニーズに合わせてご提案するパターンとなります。

 来店したお客様に会員登録をお願いしている企業様は多いですが、ユーザー側の入力に手間がかかる場合、スタッフが丁寧にサポートできなかったり、途中で離脱されてしまったりといった課題が散見されます。そういった課題に対して、既存のシステムとLINEを組み合わせることで、入力の手間がないシンプルな登録を実現し、お客様と店舗スタッフそれぞれがよりストレスフリーになれる。そんな提案をさせていただくことが多いです。さらには、クライアントが保有するファーストパーティーIDとLINEのユーザーIDをひも付け、CRMを高度化する、といったことも提案させていただくことが多いです。

 以前は、会員システムにメールアドレスや電話番号を登録してもらって、メールでメッセージを送るというのが主なCRMの方法でした。しかし、会員登録フォームの入力完了前に離脱されてしまう、メールはなかなか開封されず内容を読んでもらえない、などといった課題が生まれがちです。LINEミニアプリであれば簡単に登録画面を立ち上げられますし、LINE公式アカウントならば、メッセージが届けばすぐに読んでもらうことができ、そこからのアクションも期待できるため、最近ではLINEを活用したCRMの優先度が高くなっている実感があります。

 また、LINEミニアプリの登場によってサービスを通して取得したデータを活用してLINE公式アカウントから送るメッセージの内容や配信のタイミングなどを最適化できるようになったというのも大きな変化だと考えています。

──マーケティングシステムの「システム」とそれを用いて実行する「CRM施策」に関するケイパビリティが発揮されるMSIらしい提案になりそうですね。

磯部: ありがとうございます。企業様で導入済みの複数のシステムとLINEミニアプリの開発環境を連携して実現することも多くなっています。クライアントのIT部門のご担当者と話し合いながら、システムの設計、実装、運用、データ活用までを僕たちがマネジメントしています。

 さらにMSIでは施策の設計や実行も統合的に支援することが可能です。

──LINE活用の今後の見通しをお聞かせください。

木下: LINEユーザーの多くは、大勢の中の一人ではなく、私という個人に対してメッセージを発信してほしいと考えています。その思いに応えていくのが非常に重要です。もちろん、完全なOne to Oneコミュニケーションを実現するのはコスト的にもオペレーション的にも難しいのですが、常にOne to Oneの志向性をもちながら、マーケティング戦略を組み立てていくことが大事だと私は考えています。「一人ひとりの生活者とコミュニケーションする」という意識を強くもち、クライアントのLINE活用をこれからも支援していきたいと思います。

牟田: LINEにおけるCXの深さやリッチさを実現していくことが僕の目標です。例えば、レジャー施設の紹介では単なる画像ではなく実際にその場に立っているような感覚が味わえる360度画像で提供したり、施設に入った後はLINEのカメラでかざすことで名前入りのwelcomeメッセージをARで表示させたり。テクノロジーを活用したクリエイティビティはたくさんあると思います。

 コミュニケーションや体験を設計する力とテクノロジーやITをリードする力などを組み合わせて、これまでになかった高度なCXを実現させたいですね。

磯部: 生活者に主体的に参加したいと思ってもらえるサービスを開発し、企業と生活者の双方向コミュニケーションを一層推し進めていくことが大きな目標です。

 それからもう1つ、クライアント側のご担当者をユーザーと捉え、一人ひとりのご担当者がより使いやすく、マーケティング効果を継続的に高めていける仕組みをつくることを目指したいと思っています。マーケティングツールとしてのLINEにはまだまだ大きな可能性があります。このチームの力を最大限に生かして、あらゆる可能性にチャレンジしていきたいと考えています。

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