──生活者にとって、LINEとはどのようなプラットフォームなのでしょうか。
磯部: 多くの生活者にとって、LINEは最も身近なアプリです。LINEのトークルームはプライベートな空間であり、そこに知り合いや親しい友人と同じレベルで企業の公式アカウントが「友だち」としてリスティングされています。それによって、まるで友人とやり取りをしているような感覚で企業とのコミュニケーションが行われます。生活者が企業をここまで身近な存在と感じられるプラットフォームは、あまりないのではと思います。
牟田: 主体的に企業のLINE公式アカウントへメッセージを送る生活者も増えています。例えば生活者がサービスを利用してみて、「おもてなしに感動しました」というコメントを企業のLINE公式アカウントに送り、企業は「すてきなお時間をご堪能いただけて大変良かったです」とお礼メッセージを返しながら、実際にお客様を担当した現場スタッフからDMを送る。そんな、いわば人格と人格のコミュニケーションが実現するのが、LINEの特徴的なところです。
木下: 逆に、企業からのメッセージのプロモーション色が強くなりすぎると、生活者は忌避感を抱きます。テキストやコンテンツで「身近な温度感」を実現できるよう、細かなチューニングをしていくことが必要です。
──企業側にとってのLINEの位置付けについてもご説明ください。
牟田: 以前は、企業にとってのLINEはメッセージを配信するツールでした。しかしLINE活用3.0の段階に入ってからは、コミュニケーションだけでなく、サービスや体験を届けるプラットフォームに変わってきています。
生活者の属性データやメッセージへの反応データに加えて、LINE上のアクションデータや些細(ささい)なコメントもIDベースで蓄積されるので、それらのデータをもとに継続的にCXを改善していくことが可能です。
LINEは一種のミニデータベースになっているともいえるし、フロー型からストック型のプラットフォームに進化しているとも言えますね。
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