プライム・ビデオでのスポーツコンテンツは、月額600円のプライム会員になれば、追加料金なしでほとんどの番組を見られるようにしている。より収益性を高めるのであれば、会員の有無にかかわらず、本当に素晴らしい試合だけに課金するペイパービュー(PPV)を採用する方法もあるだろう。
「試合ごとに観戦するPPVと、NBA League Passのような追加のサブスクリプションで言えば、ニッチなスポーツは追加のサブスクリプションにフィット感があります。ファン層がより幅広い野球なら、プライム・ビデオのような定額配信が良いでしょう。例えば米国では、ボクシングのメインイベントだけをPPVにするという手法もあります。私たちが考えていないと言うとうそになりますが、現時点で発表するものはないです」
とくにPPVについては慎重な考えのようだ。「私たちは、ボクシングのファンダムを大きくしていきたいですし、野球なら一緒により盛り上げたいです。PPVの方が、経済的合理性は高いのですが、世界が閉じる形になるので、それはスポーツ全体にとって本当にいいのか? ということです」
実際に客の声(VOC)を聞く仕組みはどう作っているのか。「ここは絶えずいろんな形で実施しています。カスタマーサービスセンターから直接吸い上げられますし、ソーシャルメディアのアカウントからも生の意見が聞けます。各種のデータからも分かりますし、いろんな調査もしています」
日本のコンテンツ事業のトップとして、プライム・ビデオをどのようにしていきたいと考えているのか。「今はスポーツが大きな戦略の柱になっていますが、2、3年先、5年先に何が求められるのかを常に考えています。今後はもっとジャンルを広げていきたいと思いますが、これまでと同様に、多種多様なニーズに応えるコンテンツを提供してきたいです」
石橋本部長は「仕事で常に心掛けているのは『誠実に、清らかに』です。お客さまだけでなく、自分のチームメンバーにとっても、正しいことを誠実に清らかにやることです」と話していた。インタビュー中も、質問に対して誠実に答えてくれた印象がある。「お客さまが求めているものを」という回答が何度も返ってきた。
誠実な姿勢でコンテンツを提供し続けることが、競争を勝ち抜く1つのカギとなる。それが最終的にプライム会員の増加につながっていきそうだ。
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