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26年卒の「初任給」いくら上がる? 54.1%が「引き上げる予定」

» 2025年02月28日 09時30分 公開
[ITmedia]

 マイナビは2026年の新卒採用に関する調査を実施した。調査によると、26年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加したことが分かった。「増やす」は文理ともに22年卒から24年卒にかけて2年連続で増加していたが、25年卒で減少に転じ、2年連続の減少となった。

2026年卒の採用予定は文理ともに「前年並み」が増加した(画像:以下、プレスリリースより)

 マイナビは「採用充足率が年々低下するなか前年同様、採用予定目標数はこれ以上増やせない状態まで達し、採用予定数が据え置かれている」と推測している。

 採用予定数を決定する大きな要因として前年からの増加幅が最も大きかったのは「前年の採用実績」(47.7%)で、1.9ポイント増加した。前年の25年卒は採用充足率が調査開始以来最低となっており、充足率の低下が26年卒の採用予定数に影響を与えていると考えられる。

採用予定決定数の大きな要因

初任給はいくら上がった? 上場と非上場企業で差

 初任給を引き上げる予定の企業は54.1%に上り、前年の47.2%から6.9ポイント増加した。「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」の上場企業は43.9%、非上場企業では44.3%で、全体で44.2%となった。

 特に非上場企業で「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」と回答した割合が前年より11.2ポイントと大幅に増加しており、初任給の引き上げの動きが上場企業以外にも波及し始めていることが分かる。

初任給の引き上げについて

 初任給の平均額は22万5786円で、25年卒の平均額と比べて8999円増加した。上場企業で1万4256円、非上場企業で8793円の増加となった。初任給を引き上げる予定もしくは直近数年ですでに引き上げを行ったという企業に対し、どれくらい引き上げ予定か(もしくは引き上げたか)を尋ねたところ、最も多かったのは「5000円〜1万円未満」(40.3%)だった。以降「1万〜2万円未満」(29.5%)、「5000円未満」(16.6%)と続いた。

初任給の引き上げ額

 初任給を引き上げた理由としては、57.1%が「求職者へのアピールのため」と回答。初任給や賃金に対する世間や学生の関心の高さを受け、初任給を引き上げていることが分かる。

初任給の引き上げの理由

初任給引き上げ以外のアピール面は?

 初任給の引き上げ以外に待遇面で学生にアピールしていることとして、最も多く挙げられたのは「住宅手当や借り上げ社宅」(46.4%)だった。その他「諸手当(営業手当、資格者手当など)」(45.5%)、「休暇制度」(44.9%)などが寄せられた。また、法人税の控除のメリットがある「奨学金返済補助・代理返済」(12.0%)も挙げられた。

初任給以外のアピールポイント

 ユニークな福利厚生や取り組みについての自由回答としては「有給休暇を1日取得すると1万円支給(上限12万円/年)」(建設業界)、「内定者懇親会で実際の給与明細を見せながらリアルな暮らしやキャッシュフローの紹介している」(製造業界)などがみられた。

 マイナビは調査について「賃上げの機運が高まるなか初任給を引き上げる企業も増加し、また引き上げの動きが上場企業以外にも波及し始めている。一方で、福利厚生を活用することで社員の手取りを実質的に増額させる『第3の賃上げ』の動きも見られるなど、学生が感じる経済状況や将来の見通しへの不安を軽減・解消するために企業がさまざまな取り組みを行っていることもうかがえる」とコメントしている。

 調査は同社が運営する情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」の会員と、マイナビ2026利用企業担当者宛にメールマガジンを通して実施した。有効回答者数は1820社(上場139社、非上場1681社/製造737社、非製造1083社)、期間は1月27日〜2月9日。

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