パルコや東急プラザが、ちいかわのショップを積極的に誘致しているのは、先述したファン層と施設の客層が重なると考えているからだろう。こうしたキャラクターは、年齢層が高くなると「どこが良いのかよく分からない」という人が増える感もあるが、意外と50〜60代の男性にもちいかわファンは多い印象がある。
ちいかわのアニメでは、3人(3匹?)の人気キャラクターが一緒に出てくることが多いが、ハチワレが1人でしゃべりまくっていて、状況説明も、残りの2人の代弁も行う。ちいかわとうさぎはほとんど何も話さない。
1970年〜80年代の漫才ブームでは「しゃべくり漫才」として、ツービートならばビートたけしさんが、島田紳介・松本竜介ならば紳介さんが、1人でしゃべりまくっていたが、ハチワレの場合、このような圧倒的な才気で相方をうなずき専門にするわけでもない。
アニメを見ている中には「もっと自分の気持ちを察してほしい」と感じている人が多いように思える。また「人に対してもっと察してあげたい」「察してあげるべきではないか」と感じている人も、多いのではないだろうか。
ちいかわの飲食店やベーカリーの人気が爆発している理由としては、先ほどのベーカリー担当者の分析以外に、アニメによく食べ物が出てくることが挙げられる。例えば作中でいわゆる「二郎系」を模したと思われる「郎ラーメン」として出てくるラーメンが、ちいかわラーメン 豚で食べられる。
一般のラーメン店は、行きたくても女性同士、ましてや一人では、なかなか入りにくい人も多く、そうした消費者心理をうまく刺激している。ちいかわのショップということで、ラーメン店の心理的ハードルを一気に下げているのだ。
しかも、ラーメンや飲み物には、おまけとしてグッズも付いてくる。入場者でないと買えない、オリジナルの丼やコップなどもあり、推し活をしたい人にとって、魅力ある要素がそろっているわけだ。
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ちいかわが「二郎系」 心斎橋PARCOにラーメン出店Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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