紹介業から採用する側に立場を変えてしばらくすると、個人でできる範囲の狭さにもどかしさを感じるようになっていった、と芦川氏は話す。活動の原点にはエンジニアの環境を改善したい思いがあり転身したものの、個人の力では不十分だと考えるようになったという。
そうして、2019年にレインを創業した。しかし、リクルートへの転職時と同様、困難にすぐ直面してしまう。
「業務委託のメンバーと起業して、都内にオフィスを借りたのですが、翌年に新型コロナの感染が拡大しました。企業の採用活動がストップし、せっかく契約したのに途中解約となってしまうお客さまもいました。オフィスも解約して、お金が尽きるのが先か、コロナが終息するのが先か――常々考えていました」(同)
その後、コロナ禍が少しずつ落ち着きを見せてIT企業の景気も回復。特にゲームなどエンタメ企業の業績が伸びた。テレワーク関連の需要も伸び、レインも事業を持ち直していく。当初は業務委託だけだったが、正社員の採用を進め、規模を拡大していった。
さまざまな危機を乗り越え、軌道に乗りつつあるレイン。後編記事では、IT人材採用の最前線に立つ芦川氏から見た、企業側のポイントなどを聞いていく。
山口伸
経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 X:@shin_yamaguchi_
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